気象病について Vol.2「気象病の原因とメカニズム」

 皆さん、こんにちは。
 前回の投稿で、気象の変化によって起こる「気象病」について紹介をしました。今回は、その気象病の原因とメカニズムについてお話ししたいと思います。

 気象の変化によって、様々な症状を引き起こす気象病。一体、原因は何なのでしょう
か?気象病の主な原因は、気圧の変化で、気圧の変化が急なほど症状は強くなるという特徴があります。主に症状を訴えるのは、気圧が下がった時ですが、気圧が上昇した時に症状を訴える方も中にはおられます。

 気圧に変化が起こると、私たちの身体はストレスを感じ、それに抵抗しようと自律神
経の活動が活発になります。自律神経には、日中の活動時に活発となり、興奮や痛みに関与している「交感神経と、夜間の就寝時に活発となり、心身をリラックスさせ、身体の回復に関与する「副交感神経とがあります。この交感神経と副交感神経とのバランスが崩れることで様々な症状が引き起こされるのです。
 長年にわたり、気象病を研究している愛知医科大学の佐藤准教授は、耳が敏感な人ほど気象病になりやすく、耳の内耳に気圧の変化を感じるセンサーがあるのでは?という仮説を立てられました。
 気象病のメカニズムとしては、通常であれば内耳のセンサーが気圧の変化を感じとり、その情報が脳へと伝えられ、自律神経が刺激されて活発となり、身体は気圧の変化に対応しようとします。しかし耳が敏感だと、少し気圧が変化しただけでもその情報が過剰に脳へと伝えられ、自律神経が過剰に刺激されることで、自律神経のバランスが崩れてしまい、様々な症状として現れるのです。

 佐藤準教授によると、気象病に悩まされている方は、内耳への血行が悪くなっている
ので、内耳への血行を促す耳の体操を推奨しています。
①耳を上下横に5秒ずつ引っ張る
②耳の横の部分をつまみ、軽く引っ張りながら後ろに向かって5回ゆっくり回す
③耳の下に親指を当て、上に人差し指を当てて上下に折り曲げた状態で5秒キープ
④耳全体を手で覆い、後ろに向かって円を描くようにゆっくり5回ほど回す
というものです。
 天気が悪くなり、身体に不調を感じたら、試してみる価値ありですね。

 では、次回は当院における気象病に対する治療について述べさせていただきます。

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